前立腺がんが直接の原因となって死亡するケースは少ないですが、それでも死亡率を高めてしまっているのは、他の病気で亡くなった患者を解剖して調べると前立腺がんが発見される、というケースがあるからです。前立腺がんは男性特有のがんで、男性の骨盤内にある臓器で精液を作っている前立腺ががん化してしまうことで起こります。前立腺で最も怖いのは、骨転移です。前立腺だけで留まっていればたちが良いですが、骨転移しやすいケースが多いので、転移がみられた場合には危険です。
前立腺がんはもともとは正常な細胞と同じものですが、それが無秩序に増殖してしまうことでがんになります。発症しやすい年齢は65歳以上と言われており、80歳以上では男性の20%が前立腺がんを持っていると言われています。これだけリスクが高いとなると、出来るだけがん検診などで早めに発見することが望ましいです。確かに、がん検診を受けない方が辛いがん治療で命を縮めなくて済むので良い、という考え方もあります。
実際、前立腺がんでは検査の数値の一定の基準を超えない限り治療をしない待機療法というものも考案されています。しかし、だからと言ってすべての人ががん検診を受けない方が良いということにはなりません。特に、まだ将来の長い40~50代の人であれば、がん検診を受けて早めに発見することで、生活に支障のないように治療できる可能性もあります。何歳から受けた方が良いという基準はありませんが、がん家系の人であれば特に気をつけておきましょう。