仕事への意欲が減退したり、原因不明の体調不良や不眠などは、過大なストレスが継続的にかかり続けた結果引き起こされた精神的なダメージである可能性があります。精神疾患は、職場におけるさまざまな問題が複合的に影響し、徐々に心身に影響を及ぼしていきます。自覚症状が発現した時点では、かなり状況は進行している可能性も高く、治療が必要となるケースも少なくありません。ストレスチェックを行うことが2015年に義務付けられましたが、その背景には増え続ける精神疾患と、改善されにくい職場環境という問題点があるといえるでしょう。
義務化される以前から、過重労働や劣悪な待遇、セクハラやパワハラなどの様々な圧力で従業員の精神状況を追い詰めている企業は少なくありませんでした。一方で従業員側も問題が表面化することで自分の不利益になることを懸念し、心療内科への相談など具体的な方策をとらずに状況を悪化させてしまうという側面もありました。ストレスチェックの義務化によって、企業側も従業員側も客観的に状況を把握することで、事態の改善につなげていくことが可能となります。ストレスチェックによって表面化した過大なストレスについては、企業側は必ず改善に向けての方策を取る必要があります。
従業員側も精神疾患に至る前にメンタルヘルスを整えるという習慣をつけることが大切です。人材は企業の大切な資産であり大切にケアを行うことが、これからの企業に求められる大切な観点であるといえるでしょう。