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肺がん検診の喀痰検査

日本人の死亡原因としては、がんが昭和56年からトップになっており、これは現在までずっと続いています。そのなかでも肺がんは、病気にかかる人数でみたときの罹患者率としては、他のがんよりも多いとはいえないものの、死亡した人数でみた死亡率は、すべてのがんのなかでもトップです。そこで、定期的ながん検診によって、肺がんになっているかどうかをきちんとチェックすることが必要となってきます。肺がん検診のメニューとしては、専門の医師の問診や肺のレントゲン撮影というのが一般的ですが、肺がんの原因としては、喫煙によるタバコの有害な煙が大きな位置を占めていることから、いわゆるヘビースモーカーの人については、特別な検査がこれに付け加えられます。

具体的には、年齢が50歳以上の男女であって、喫煙指数が600以上に該当する人について、通常の検査に加えて、肺がん検診のなかで喀痰検査を行うことになります。この場合の喫煙指数というのは、1日あたりのタバコの喫煙本数に喫煙年数を乗じた数値のことをいいます。喀痰検査では、朝起きたときに3日にわたって本人が痰を採取し、当日にそれを検体として検査機関に提出します。検体を持ち帰った検査機関では、顕微鏡で痰の中味を調べて、がん細胞が含まれていないかどうかを確認するというものです。

この検査は、肺炎などで原因となった病原菌を調べる際にもよく使われる方法ですが、肺のがん細胞も痰のなかに排出されることが多いことから、同じ方法が使われています。

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